水田を見守る田の神さぁ
豊かな水田に、神が宿る。盆地の畦道のそこ、ここに他の地域では見慣れない“田の神さあ”が姿を見せて、実りの秋にほほえむ。
主食のコメの豊作を祈願する、えびの盆地独特の貴重な食と農の農耕文化で、昔からコメを大事にするコメづくりへの熱い想いが伝わってきます。田植えが終わる頃、催される“田の神さあ祭り”で、農作業の疲れを癒し、出来ばえのよい他人の“田の神さあ”を盗んで後で返していたという「おっとい(盗み)田の神」の民話も語り継がれています。「田の神さあ」を地域おこしの祭りに仕立てて、牛越え祭りや京町二日市まつりなど、豊かなふるさとの文化がくらしを彩ります。
「日本の棚田百選」に選ばれた「真幸棚田」が、西内堅地区にあります。ほかの地域にも昌明寺地区など棚田が点々と散在して、昔のコメづくりの苦労と知恵がヒノヒカリの味を一層、引き立てます。 棚田のある風景は、心が和む"くつろぎの空間"にもなっています。