2021ヴィンテージレポート

ヴィンテージレポート

今年は、休眠期から暖かい冬が続きました。萌芽期も同様に暖かい日が続き、例年より1週間程度早い生育で進みました。開花期は順調な生育でしたが、開花時期のみ連日の雨となり、病気に苦戦しました。梅雨が明けると夏日がしばらく続きますが、晴と雨を繰り返します。今年は、成熟期、収穫期の8月上旬から前線が停滞し連日の雨に悩まされました年でした。ようやく晴れ間が見えたのは、8月20日以降です。傷み果を選別しながらの収穫でしたので、収量は減りましたが、天候の回復によって熟度は上がり、例年並みの品質でワインを造ることができました。

メイキングレポート
醸造では、色やフルーティーな香りを引き出すために、2日間ほど低温で果実を浸漬した後、かもし発酵を行いました。 また、しっかりとした色と味わいの複雑さを出すために、酵母は2種類使用。発酵の温度は、後半にかけて30℃を超えないようコントロールし、パンチダウン、ポンプオーバーを併用し発酵をすすめてきました。発酵終了後は、色や風味を大事にしながら、6ヶ月間タンク熟成をしてきました。そして、味わいを損なわないよう、瓶詰しました。熟成も期待できる、楽しみなワインです!!

テイスティングコメント （色･香り）

［軽やかで若々しいルビー色］

透明感のある優しいルビー色。粘性は中程度。きらきらと輝く液面に映えるフレッシュな紫色のニュアンスに、若々しくも上品な味わいを連想します。

［変化に富んだ複雑な香り］

レーズンや黒いベリーなどの果実香が第一印象。続いて沈丁花（じんちょうげ）のように華やかな芳香がグラスを満たします。時間とともにシナモンや胡椒のような複雑味のある香りが開き、香りの変化を長く楽しめます。若い色調とのギャップを感じます。

テイスティングコメント （味わい・楽しみ方）

［飲み応えがありながらも飲みやすい味わい］

キリリとした酸味が華々しく舌先を踊り、後に続く柔らかな甘みを引き立てます。プラムやクランベリーの果実味、程よいタンニンが味わいの骨格を作ります。品種の特徴香であるキャンディー香は控えめで、酸味、タンニンともにとても若々しい印象です。3年から5年の熟成を経て、大人びた上品な味わいも期待できます。

［3年～5年はしっかり熟成できそうです］

凝縮した果実味と程よいタンニンがあるので、熟成にも期待できそうです。現時点でも十分楽しめますが、このワインが時を経つことでどのように変化していくのかも楽しみです。素直に良い年の果実の個性がでているので3年から5年かけて良い熟成ができそうです。

オススメペアリング

スタッフが選ぶ、牧内マスカット・ベーリーAエステートに合う料理は、とまと（ケチャップ）で煮込んだロールキャベツ！『トマトで煮込んだ深い味わいに赤エスの果実味と程よい酸味がいいペアリングを見せます』。
このワインは冷やし過ぎてしまうと個性を半減させてしまう恐れがありますので、ぜひ12℃～15℃の品温でお飲みください。香りも味わいも深く楽しむことができます。山賊焼き、地頭鶏の炭火焼などのスパイシーな料理によく合います。日本一になった宮崎名物ギョーザとのペアリングもぜひお試しください。対してあっさりした日本食や出汁ともよくなじみ、食中酒として飲み疲れなく楽しめそうです。